【証券会社での営業実録】2年目以降~激化する「詰め」と募集物との戦い

もやもや吹き出し子犬 就職/転職
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「今日で3連休終わりやん!!」と先程妻と話していたひろです。

お休みの時間経過が早いのはなぜなのでしょうか…。皆さんは充実の3連休を過ごすことができましたか?

私は特に遠出をすることもなく、今日も妻から若干のダメ出しを頂いてしまった不出来なパパをやっております…笑

今回も前回から引き続き、証券会社での営業経験について振り返りを行っていきたいと思います。

前回の終了時がちょうど1年目の終わりということで、時系列としては2年目となり、営業らしく数字への「詰め」がレベルアップしてくる段階になってきます。

↓前回記事です。

基本的には私主観での記載となっているため、主観的な意見が中心の一方方向に偏らないように、客観的にも振り返っていきたいとは思います。

証券会社の営業職に興味のある方にとって、意義のある読み物になるようにしていきたいと思います。

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2年目、スタート

さて、昨年までも新規開拓の成果について上司に詰められていた話は前回にご紹介させて頂きました。

2年目からは後輩もでき、仕事もある程度覚えてきているという状態で、様々な環境が変化していくのですが、この「上司からの詰め」というのもまた、その変化していくものの一つだったようです。

まず1年目とは異なり、これまでは新規開拓顧客件数や、そのお客様からの預かり資産金額が主な評価項目でしたが、そこに加えて収益や特定の商品の販売額といった項目も評価されるようになっていきます。

というよりも、そちらがメインの評価対象になっていきます。

(企業は営利活動を行う組織であることを考えれば、至極当然なことではあるのですが笑)

怒られる男性

引継ぎ口座

また自身が営業をかけてお客様になっていただいた方だけではなく、これまで支店にいた歴代の上司・先輩方が担当をされていたお客様の口座も、「引継ぎ」と呼ばれる形で担当することとなります。

当時同じ支店に配属となった同期は、私を含めて4人いましたが、2年目になってしばらくしたタイミングでこの「引継ぎ」顧客を担当することとなりました。

それぞれの担当者ベースで引継ぎ顧客だけで100口座ほど、大体合計の預かり資産は、株式・債券などの内訳はそれぞれ異なりますが、合計数億円ほどあったと思います。

しかしこの引継ぎ顧客が曲者でした。

例えばもう10年以上こちらからの連絡が繋がっていないお客様がいたり、口座開設時に登録していただいた住所から引っ越しをされていてご親族にしか連絡が繋がらなかったりしました。

またもっとひどい状態になると、親族の方が届け出をされていない為、もしかしたらお亡くなりになっているのではないかと邪推をしたくなるような状態の方がいらっしゃったりと、なかなか普通にお取引を行うことも難しいお客様の口座が含まれていることが多いのです。

それはそうですよね。例えば自分のお客様を誰かに引き継がないといけないとなった時に、たくさん取引を行ってくれる、担当者からすれば「良いお客様」を引き渡したいと思われる方はいらっしゃいますでしょうか?

答えはNoです。

上司も先輩も、自分にとって良いお客様は囲い込もうとします。

また誰かが転勤になった時は、その方の担当していたお客様は全て担当のいないオープンな状態になり、その後担当が振り分けられることとなります。

その際も取引実績の多いお客様に関しては、上司や先輩など、支店の中で発言力、マネジメント力のある方から先取り状態になっていくことが多いです。

しかし上司からはそんなことはお構いなしで詰められます。

「預かり資産○○円あるんだからこれ位の金額はできるだろう。」といった内容で、できない時は毎時間でも攻められます。

初めのうちは、例えば引継ぎの口座で名義人と連絡が取れない為に数字がをあげることができない、なんて上司に抵抗を試みる人間もいる(私の同期がそうでした)のですが、そんなことは言っても何も状況が変わらないことに、徐々にみんな気が付いてくるんですね。

結局、そういう状況になった時にどうすれば流れを変えることができるかというと、自分でお客様を新規開拓するしかないということに…。

叱責されるビジネスマン

募集物

またそれ以外にも2年目から新たな試練が現れてきます。

それは「募集物」と呼ばれる商品が大きく関係しています。

募集物とは例えばPO(公募増資)案件や新発債など、ある企業から依頼を受け、一定期間の中で会社として必ず売り切らなければならない商品のことを指します。

(直近ではソフトバンクの新規上場株式の募集物とかは大規模なものでしたね。営業マンから勧誘を受けた方も多いのではないでしょうか。)

いくらの金額を売り切る必要があるのかは案件次第ですが、基本的には会社として引き受けた金額を支店毎に与えられた指数を元に配分し、さらにそれを課単位、個人単位に目標を設定していき数字が決まることがほとんどでした。

例えば日本国債を200億円、会社として販売するとなった時は、上述の通り支店の規模を勘案しながら配分がなされます。

今回は自分の所属している支店に1億円が割り当てられたとします。

そうするとそこから、支店に営業課が4つあれば、単純に割りますと各課2,500万円の販売責任が生じ、その課に営業が5人存在する場合は、営業担当者均等割りで1人あたり500万円を販売しなければならないという計算のもとで個人の目標が決められていきます。

こうした募集物を、担当顧客に販売していきます。

必要であればその日の販売目標を課、もしくは支店として具体的な数字を設定し、誰かが売れたらその数字を引いていき、最終的にはゼロを目指す、「消込」という作業をホワイトボードを使用して行うこともあります。

消込とは具体的に、とある商品を課として500万円、本日中に売り切らなければならないとします。そうするとまずはホワイトボードに500と記入し、あとはAさんが100売れば「400 A」と500の下に記入、Bさんが200売れば「200 B」といった感じで0になるまで続けるのです。

そしてこの募集物ですが、例えば金額がものすごく巨大なものでない限り、数百万レベルであれば、上司や先輩から「若手の仕事」として完了するように指示がなされることがほとんどでした。

ここで金融商品の取引経験がある方ならご想像がつくかと思いますが、個人投資家が債券を短期売買することは基本的にありません。

また公募増資の株式に関しても、IPO(新規公開株)のようにすぐに値上がりが期待できるということはほとんどなく、基本的には将来値上がりが実現したとしても、私の経験則上、購入後一定の時間が必要となることが多いです。

よって、こういった募集物をお客様に購入いただいたとすると、その分お客様の資金はその時に購入頂いた商品で拘束されてしまいます。

そうなると次回の募集物を消し込むとなった時に、前回動いてもらったお客様を動かすには、新たな資金を投入していただく必要が出てきますよね。

ですがお金を無限に持っている人は世の中に存在しません。そうなると今ある担当口座だけでは仕事ができなくなってくる、という状態に陥ってしまうのです。

ちなみに募集物について、時期的に多い少ないはありますが、株式や債券等を合わせて基本常時2~3種類、それぞれ2週間~1ヶ月の締め切り期間で動いております。

そのため、次々と降ってくる募集物をこなし続ける、体力と精神力が必要となってきます。

例えばなかなか売れない商品を、期限が近く支店全員で消込を行っているときに、自分が大きな金額を売って貢献した時はものすごく褒められます。

しかしそれもその商品の販売が終われば。その評価もそこまでで終了です。

仮に前回やったからと言って、次の募集物に貢献をしなければ、最悪の場合「詰め」が待っています。

こうした「引継ぎ」顧客への対応や、「募集物」の消込といった業務をこなしていきつつ、商品を売買した時の収益や新規預かり資産の数字を追いかけていくうちに、お客様至上主義から、数字至上主義の営業マンへの道をどんどん歩んでいくこととなるのです…。

指摘するビジネスマン

終わりに

こうして当時の状況を書いていると、本当に色々と思い出されて何だか懐かしさすら覚えますね。

書いている今からするとたった数年前の出来事にはなるわけですが、なんだか不思議な気分です。

当時の私はこうした状況が続き、「この営業活動を続けていて、将来自分に子供ができた時にかっこよく仕事の話をできるんだろうか」「本当に自分のしたかったことは何なんだろう」といったような疑問を抱き、その思いが強くなった時に転職活動を始めました。

↓転職活動を始めた時の状況はこちらの記事でご紹介しております。

恐らく今現在も当時の私のように悩みながら業務を頑張っている人がたくさんいるかと思いますが、昨今は転職に対しての理解が広まってきている状況だと感じます。

もし不満が抑えられなくなりそうであれば、是非一度「行動」をしてみてください。

それは今お勤めの会社でできる行動かもしれませんし、当時の私のように外に向かう行動かもしれませんが、動いて損をすることはないはずです。

まずは一歩、踏み出していきましょう。

コメント

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