今日も一日お疲れ様です!ひろです。
先週は家族の体調不良から仕事を休まなければならず、今週はなかなかエンジンがかからず苦戦している状況です…。
皆さんの調子はいかがですか?
話は変わりますが、今日ツイッターを見ていたら、とある展示会が明日から開催されるという紹介が目にとまりました。
「焼肉ビジネスフェア」という展示会でして、焼肉業界用の厨房機器や食材などを展示、販売している展示会になります。
実は私、昨年2018年開催の方に参加させて頂いておりまして、その際の記録が残っておりましたので、本日はどんな展示物があったのかなどについて、ご紹介をさせて頂きたいと思います。
焼肉ビジネスフェア2018 概要
2019年版公式HP
「“焼肉業界”と肉料理を扱うすべての“飲食業界”をターゲットにした、年に一度の業界専門展示会です!!」(2018年開催キャッチコピー)
もうキャッチコピーから焼肉のニオイがしてきそうな熱い感じですが、年に1度東京と大阪で開催されている展示会で、2009年に第1回が東京で開催されて以来、今回で東京が10回目、大阪が7回目の開催になるようです。
「業界専門展示会」とあるように、スーツ姿のビジネスマンらしき人をあちこちで見かけました。
また会場に入る前に受付にて名札を着用しなければ入場できないようになっており、これから開業を検討されている方や、現在焼肉屋を経営している方もたくさん来場されていました。
それ以外にも、一部外国人の方や一般の方の来場者も見かけましたので、公式HPから事前予約を行えば気軽に参加できるのではないかと思います。
ちなみに、当時私は業務の関係で、焼肉業界で使用される業者用の機械について興味があったため、足を運んだという感じです。
参加業界
出展社は大きく業種でセグメント別に分けられていました。ざっと一覧を挙げると、
ミートフード(畜産物)、シーフード(水産物)、アグリフード(農産物)、サイドメニュー/韓国食材、アルコール/ソフトドリンク、たれ/調味料、麺類、デザート/スイーツ、やきとり&鳥料理パビリオン、焼肉ロースター/コンロ、店舗運営機器・システム/集客・販促アイテム/Webサービス、店舗設備/食器・テーブルウェア/ユニフォーム、衛生関連、外食店・焼肉店開業支援/フランチャイズ募集、書籍/出版/情報サービス/団体、その他
以上その他を含めて16業種に分けられ、各社主力の商品を展示し、来場者にアピールをされていました。
中でも食材を扱っておられる出展社では、実演アピールをされているところが多く、試食の為にお肉を焼いたり、アルコールを提供しているところもありましたので、会場内は焼肉のニオイであふれていましたね。
私もところどころで試食を頂きました。コストコさんのブースでお肉の試食を頂いたり、熊本県の商社さんが提供されていた馬肉のユッケなんかも頂き、どれも非常においしかったです。
業務用の機械
さて、先ほどちらっと私の参加目的が業者用の機械メーカーさんを見てみたいというのがあることはお伝えしましたが、「焼肉業界の業務用機械」と聞いて、どのようなものを想像されますか?
私はイベントに参加するまでは、焼肉のチェーン店で客席にある、「お肉を焼く機械」と「排煙装置」を想像していました。
もちろんそれ以外にも機械はあることは予想できましたが、具体的にどのような用途で使われている、どんな機械があるのかはわからなかったのです。
※ちなみにお肉を焼く機械は「ロースター」、排煙装置は「排煙フード」と呼ぶみたいです。
では具体的にどのような機械があったのかを見ていきたいと思います。
ロースター見学(シンポ株式会社)
焼肉と言えば恐らく欠かすことができないであろうロースターを取り扱っている企業を見ていきたいと思います。
私が最初に足を運んだのは、愛知県に本社がある「シンポ株式会社」のブースでした。
会場で一番大きなブースを構えておられ、また入口に入ってすぐの場所で開催されておられたところからも、本イベントに対する意気込みを感じられました。社員の方も一番多く参加されていたのではないでしょうか。
ここでは世界で初めて「無煙ロースター」を販売されたという実績もあり、調べたところ世界でもロースター市場ではシェアNo1のようです。
中国とアメリカにも関連会社があり、それ以外の国もあわせて世界各国で販売実績があるとのことでした。
無煙ロースター
ちなみに無煙ロースターというのはその名の通り、余分な煙の出ないロースターのことです。またそれぞれその仕組みによって、「ダクトタイプ」、「ノンダクトタイプ」、「上引きタイプ」に分かれるようです。
http://www2.ctv.co.jp/ps3/2014/11/02/4375/より引用
今回私が主に見てきたのは、焼肉店に多く設置されているダクトタイプでした。
これは床下に排煙ダクトを接続して煙を吸いだす仕組みとなっており、シンポさんでは据え付けタイプという形で扱われていました。
お話を伺ったところ、こうした製品を新しく開発する際は、現場の購入者の声はもちろん、業界を取り巻く環境面での規制等がどのように変化していくかというような、社会的に求められるような課題を意識して、その解決を目的とした開発を行っておられるようです。
また機械の形状等は、基本的には既製品の納入で対応しますとのことでしたが、例えば設計上機械を設置することが難しいといった場合は、状況次第ではオーダーメイドでの製造を行ったこともあるとのことでした。
その場合は恐らくある程度の規模での購入が前提になるかとは思いますが、購入者第一の目線で常に商売を行っておられるということを感じました。
海外の現状について
他には海外での販売も行っておられるとのことでしたが、例えば中国では、炭を使った製品について、環境的な観点から使用を禁止する規制があるため、電熱式のロースターを開発したとのことでした。
中国ではここもと和牛の需要が伸びており、それに付随して焼肉文化も活発になってきているようです。
逆にタイでは、お国柄電気供給が不安定だという状況もあり、炭で焼けるよう製品開発を行い、販売しているとのことでした。
「こうした国別に存在するガスなどの規制をいかにクリアし、現場のニーズに合う製品を開発できるかというのも我々のミッション」とおっしゃっていた社員の方からは、仕事に対する情熱を感じ、今まで知らなかったことを教えても頂いたので、大変勉強になりましたね。
私も業務上海外の方とやり取りをするタイミングが少なからずあるのですが、文化の違いを感じる場面は想像以上に多くあるため、こうした地域特性を汲んだ商品開発・販売戦略を進めることの難しさと大事さを改めて感じました。
自分の常識が相手の常識とは限らないですからね。
自身の業務においても、この気づきは忘れることの無いようにしていかなければ、と気づかされます。
熟成庫(株式会社日本プレハブ冷熱様)
熟成肉って?
みなさんは「熟成肉」って食べられたことはありますか?
私は残念なことに(?)結婚して子供が生まれてからは、プライベートで良いお肉を食べる機会がほとんどないのですが、数年前にテレビで熟成肉が取り上げられた時に何回か食べたことがあります。
熟成肉は普通のお肉と違って、その香りや旨味が違うとされています。仕組みとしては、一定期間貯蔵を行うことで、肉が持っている酵素がタンパク質を分解していきます。そうすると「アミノ酸」や旨味成分の「ペプチド」が増加し、通常のお肉よりも香り良く、旨味が凝縮されたお肉になるそうです。
作り方
調べたところ、長期熟成の方法としては、主に「ドライエイジング(乾燥熟成)」と「ウェットエイジング」の2通りの作り方があるそうです。
ドライエイジングは専用の冷蔵庫で温度と湿度を管理して行うもので、ウェットエイジングは真空包装をした後に冷蔵庫で保存をするといった方法です。
ドライエイジングの方が熟成効果が高く、香りや旨味に対する評価は高いというメリットがあるのですが、コストが高くなるというデメリットがあるようです。
その為一般に流通しているのはウェットエイジングで熟成されたお肉の方が多いようです。
熟成庫の魅力
株式会社日本プレハブ冷熱:公式HP
日本プレハブ冷熱様で開発された熟成庫は、上記のドライエイジングによる手法で熟成肉を作ります。
お肉を冷凍のまま入れ、遠赤外線とマイナスイオンを利用し、ドリップを出さずに解凍・熟成を同時に開始するといったものでした。
庫内の両側面に設置されたMi・Fiセラミック板から遠赤外線が放出されることで、食肉の中心部、中間部、表面部の全体を同時に均等に、食肉の細胞を壊すことなく強力なパワーで短日時で解凍熟成するといった仕組みであるとの説明を受けました。
メリットとしては
① 短時間で従来と同等レベルの熟成が実現可能なこと(およそ1ヶ月半かかっていた熟成までに要する時間が、1週間へ短縮できるとご説明を頂きました。)
② ドリップが少ないこと
③ 歩留まり(お肉を乾燥させていく過程で変色・硬化してしまう、表面など、お客様への提供時には捨てなければならない部分)が少ないこと
以上の3点を主にご紹介頂きました。
素人ながら話を聞いていて非常にメリットを感じたのは①ですね。
熟成肉について知見を持っているわけではありませんが、熟成に要する時間を短くすることができれば、それだけ顧客へ提供するまでのサイクルが早くなりますし、長期熟成を試みたものの、衛生面で不都合があり廃棄になってしまうというリスクに対しても、通常の方法よりもかなりヘッジが効くように感じたからです。
大阪では2017年から営業所を開設し、営業を始めたと仰っていたので、これからこういった貯蔵庫が飲食業界で広まっていけば、我々もより安価でおいしい熟成肉を食べることができるのではないかと期待しています。普及・販売活動、がんばってください!
業務用かき氷機(株式会社中部コーポレーション様)
焼肉の後のデザートと言えば…
次はお肉ではなくデザートです!みなさんは焼肉を食べた後のデザートは何を食べますか?パフェ・ケーキ・アイスと色々あるかと思いますが、かき氷のような冷たいものを食べて、お口の中をキュッとしめたくなりませんか?
というわけで、次はかき氷製造機をご紹介したいと思います。中部コーポレーション様では以前ご紹介したようなロースターも展示されていたのですが、個人的にはこの機械で作られたかき氷が非常においしかったのでご紹介させてください。
Hatsuyuki 初雪氷削機
今回展示されていたのは「Hatsuyuki」というブランド名でラインナップ展開されている機械で、私が見たのはその中でも「カートリッジアイスシェーバー」タイプの物でした。
こちらは取り外しが可能なカートリッジに、氷や冷凍フルーツ、ミルクアイスを入れ、そのまま削るだけでOKというものでした。
カートリッジアイスシェーバー(HD)|Hatsuyuki 初雪氷削機|製品情報|CHUBUフード機器
実際にカートリッジの変更もさせて頂きましたが、確かに簡単に操作ができる作りになっており、メンテナンス等も手軽にできる印象を受けました。
またこのカートリッジに入れるミルクアイスを販売さえている会社の方もその場におり、実際に試食をさせて頂いたのですが、これが非常においしかったです!
味もさることながら、印象に残ったのは食感です。見た目がふわふわなこともあり、口の中に入れた瞬間溶けていくのかなと思いきや、結構芯がある感じで、「ふわふわ」と「しっかり」という2つの食感を味わうことができるかき氷だったんです。
製造されているのは株式会社稲美乳販様で、残念ながら業務用商品ということもあり、HPにはご紹介したい製品が載っておりませんでした…。(中部コーポレーション様のカートリッジアイスシェーバー紹介ページに載っておりました!)
ミルクアイスの中に寒天が含まれているため、上記のような不思議な食感を出すことができているとのことでした。ちなみに商品名は「ミルヒーグラース」とのこと。
i稲美乳半様:ミルヒーグラースご紹介
どこのお店に行けば取り扱いがあるのかはさすがに把握できておりませんが、またもう一度あのかき氷は食べたいですね~。
関西のお店で見つけた方がいらっしゃいましたら、是非教えてください!
スライサー(株式会社フーマワタナベ様)
工場用スライサー
フーマワタナベ様では食肉関連機器として、スライサーや真空包装機を取り扱っておられます。
今回私は、社員の方にスライサーについてご説明を頂きました。
私が説明を頂いたのはスーパーなどの精肉コーナーで使用されるようなタイプではなく、食品加工工場などに置かれる高機能で大きいタイプの製品でした。
お肉をセットし、まずは爪のような部分でお肉をしっかりと固定。
次にカット後のお肉の厚さやスライス速度を液晶パネルで設定。
スイッチを押すと設定した厚さ分だけ、1スライス毎に機械のベルトコンベアが前進していき、均等なカットができるというものでした。
実際に厚さ1.2mmにセットをして、お肉も切って頂いたのですが、設定通りの厚さで次々とお肉が切られていく様は壮観でしたね。
素人のチープな感想ですが、寸分の狂いもなく切られていたので、まさに「工場で使われている」といった光景が想像できるものでした。
こういった製品のお値段について、価格感も全く持ちあわせていなかったため、社員の方に金額をお伺いしたところ、大体定価で600万ほどはかかるとのことでした。
安いのか高いのかは私には判断しかねますが、大手加工肉製品のメーカーさんでも採用されているとのことで、確かな品質をお持ちの製品であることを感じました。
販売戦略について
国内に関しては基本的に引き合い案件を待つような形とのことでした。
また製品開発については、顧客からの要望に応える形で行うことが多いとのことで、B2B企業でよく取られている開発の流れがフーマワタナベ様でも取られている印象でした。
また海外での販売に関しては、アジア圏を中心に、南米やオーストラリアなどにも代理店を通じて販売をされているとのことでした。
ただアジア諸国でもアフターサービス(メンテナンスなど)の実施が難しい場合、例えば代理店の教育が進んでいないであったり、アフターケアを行ってくれるパートナーがいなかったりするなどといった状況では、まだ販売をされていないそうです。
「製品を売ることも大事ですが、それ以上にしっかりとしたアフターサービスを行うことが使命と考えております。」とおっしゃっていたその言葉に、海外でのフーマワタナベ様の実際の動きを加味し、すごく重みを感じました。
昨今、様々な業界で「顧客目線」や「顧客本位」という言葉を目にしたり聞いたりすることがありますが、こうして自身とあまり関りのなかった事業をされている方からこのようなお話を頂きますと、改めて自分自身の仕事に向きあう姿勢を考える良いきっかけになりました。
こうした気づきを、私自身も他人に与えることのできるように、日々業務に邁進していきたいと思いましたね。
小売店(コストコホールセールジャパン様)
お肉のスーパーバイザー
皆さんご存知、コストコも今回焼肉ビジネスフェアに参加されておられました。
私自身コストコにはこれまで数回しか行ったことはありませんが、大きなサイズのものが売られていて面白いですよね。
妻がコストコに行ったときは、ホールのチーズケーキにはまっているので毎回買ってきてもらっています。おいしいですよ、チーズケーキ。おすすめです。
今回は焼肉に関するイベントということもあり、基本的にお肉の展示・販売をされておりました。お肉の他にはワインやチーズといった製品も展示されていました。
私がお話できたのはミートスーパーバイザーの方で、その方は店内のお肉を全て管理されているというお話を頂きました。
他にも製品のカテゴリー毎にそれぞれの担当がいらっしゃるとのことで、コストコでは商品のセグメント別に管理をされているとのことでした。
マーケティング戦略について
また、どの店舗に何の製品を置いて、どのようにターゲット顧客へ製品を届けていくのかについては、基本的に米国本社から指示がなされることが多いとのことでした。
残念ながらマーケティング担当の方とはお会いすることができず、別の社員の方からそのようにお話を伺いました。
全国各地にある倉庫店にて、近隣の競合となるスーパーについては調査をされており、そこを意識した販売戦略を立てておられるとのことでした。
完全会員制の強み
消費者の立場から見て、コストコが他の店舗と異なる点の一つがこの「完全会員制」にあると思います。
費用は安くはない印象ですが、有償会員であることのステータスという「コストコ」ブランドの確立にも一役買っているでしょうし、客層のターゲティングにも有用であると感じます。
また、どちらかというと会員制のメリットはコストコ側にこそあると考えています。
というのも、どの商品をどういった方が購入されていったのか、個人情報と購入情報を紐づけて考えることができるからです。
コストコのように、日本で顧客情報と購入情報を100%紐づけて見ることができている小売店はないというのは、他社と比較して非常に強みであると感じます。
実際に米国本社からの指示により、輸入する製品がある程度決められているとも社員の方が仰っていたので、やはり本社でも上記のような情報を収集・分析し、各国や地域ごとにどういった製品をプロモーション強化していくのかを決めているのではないかと思います。
まとめ
さて、ここまでで焼肉ビジネスフェア2018について、私の印象に残った企業様を紹介して参りました。
自身の業務内容的に、どうしても機械メーカーさんが中心にはなってしまいましたが、食品を扱っておられる企業様も多くありましたので、興味があれば是非ご参加をされてみてはいかがでしょうか。
下記の記事でご紹介させて頂いた通り、展示会は新規開拓を行うにあたってとても良い場所だと思いますので、是非チャレンジしてみてください。
またこういう場に来ていつも思うのですが、世の中には本当に様々な業務を行っておられる会社様がいらっしゃいますよね。
全てを網羅することはできないまでも、こうした全く自分の知見の及ばないフィールドに飛び込んで行って、新しい世界を見るということは、今後も続けていきたいと思います。
それではこのあたりで!
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