前回の記事で展示会について触れましたが、営業としては(特に法人営業)顧客開拓にあたり、是非押さえておくべきイベントだと考えています。
本日はなぜ上記のように私が考えているのかというところと、実際にどのように展示会を営業活動に活用しているのか、というところについて紹介をしていきます。
昨今の新規開拓営業の難しさ
皆さん、ビジネス関係の展示会にご参加されたことはありますでしょうか。
私は今の会社に転職するまで、展示会のようなイベントに参加したことは一切ありませんでした。
いつ、どこで、どのような展示会が開催されているのかも知らなかったですし、そうしたイベントというのは、商品企画や経営企画といった、いわゆる本社機能の方の為にあるもので、営業にとっては関係が薄い場所だと思っていました。
今の会社では基本的に法人が顧客であり、新規開拓=新規法人開拓という状況なのですが、昨今、大きい法人だと特にそうなのですが、どこもセキュリティに力を入れており、なかなかキーマンにたどり着くことができないんですよね。
実際私自身も個人営業時代の経験を活かして、電話や訪問で何とかキーマンにたどり着くべくアプローチを行うのですが、基本受付でさよならです。
情報さえあればここを突破することもできるのですが、その情報を取得することも容易ではない…という現実があります。
そこで活路を見出すべく色々とチャレンジした結果、見つけたのが「展示会の活用」となります。
なぜ営業にとって展示会が良いのか
理由は簡単です。電話や訪問では会う事すらできなかったキーマンと、直接話すことができるからです。
また展示会のブースに立っている方達は、基本的に話すことに対してウェルカムな状態であることが多いというのもポイントです。
出展企業が展示会に投資する一番の理由は、外部への情報発信・広告ですからね。ブース来訪者に対して印象にも非常に気をつかっておられますので。
また人に会うことができる以外にも、お客様が所属している業界について、競合含めた各社の技術状況や今後の情報に触れることができるため、知識を得ることができるというのもポイントです。
展示会で見た競合会社のブース情報を教えてあげることで、お客様に喜ばれる…なんてこともあります。
また強いてデメリットを挙げるなら
・交通費がかかる
・移動・会場まわりなど時間がかかる
・興味のあるテーマの展示会がいつでもやっているわけではない
このあたりでしょうか…。
交通費に関しては日々の営業活動でも発生しているかと思いますので、大きな問題ではないかと思います。ただ目当ての展示会開催会場が離れている場合は検討が必要かもしれませんね。
移動・会場まわりに関しては交通費以上に必要経費だと考えているので無問題。
普段の営業活動でも時間は使っているはずなので、その活動内容が異なるだけと考えましょう。
最後に展示会の開催状況についてですが、これは定期的に情報を確認するしかないですね。
例えばJETROのHPで各地の展示会状況を調べることができますので、下記を参照してみてください。
では次からは具体的な進め方について見ていきます。
展示会参加までにするべきこと
訪問企業のリストアップを行う
あなたにとって興味のある展示会があったら、まずはその展示会の出展予定企業を確認しましょう。
開催時期までまだある程度の時間がある場合は、出展企業の確認ができないこともあるので、その場合は前年度開催分の情報を確認するのも一つの手です。
出展企業を確認すれば、恐らく元々アプローチをしたいと考えていた企業以外にも、アプローチをしたい企業が見つかることが多いかと。
そういった企業をリストアップしておき、当日の訪問リストを作成しておきましょう。
また余裕があれば、各社出展物の紹介を行ってるので、確認してあなたの認知していない、まだ見ぬ営業先候補がないか調べてみましょう。
ルート確認
リストアップが完了したら、次は展示会場のマップを確認しましょう。
特に大きな展示会の場合は確認必須です。複数の会場にブースが展開されている場合もあるので。
マップに関しては当日展示会に行けば入手できるのですが、事前に準備をしておき、当日のブース訪問の流れを想定しておいてください。
展示会の規模にもよりますが、人が多く思うように歩くことが難しいこともある為、あらかじめルートを決めておいた方が、時間の管理がしやすくオススメです。
業界知識を学習する
これは最低限、訪問予定の企業の情報程度は知識として頭に入れておいてください。
(中期経営計画などを見るのが良いです)
さもないと担当者と話をした時に、その内容を全く理解できないと次の営業アクションに移ることが難しくなるからです。
また情報収集だけではなく、その企業の担当者と話をした時をイメージして、
・どんな質問をするのか
・その結果、どういった情報を取得するのか
・その情報を取得した上で、次の打ち手をどう決めていくのか
このあたりまでイメージを作っていけば、展示会でのアプローチ後の営業活動もしやすくなりますので、詳細なものではなくていいので、チャレンジをしてください。
ここまでできたら後は当日の動きのみ!
では続きを見ていきましょう。
展示会参加!
さて、前段であなたは展示会への準備は万端な状態となりました。
ここからは当日の動きを見ていきます。
荷物は軽めに
あなたは営業中いつもカバンに資料をたくさん詰め込んでいるでしょうか?
であれば、展示会参加日はカバンの中を軽くして参加しましょう。
先程も触れましたが、参加者が多い展示会では自由に通路を歩くことが難しい場合もあります。
加えて基本的にずっと立っている形となる為、あなたが思っている以上に足に負担がかかります。
そうした状況で大量の荷物を持ったまま動くのは非常にしんどいです…。私自身初めて参加した展示会では大量の荷物をもったまま動いていたのですが、非常に後悔しましたからね…。
さらに展示会では各社が様々なパンフレットなどの販促資料を配っているため、それらをもらっていくと結構な量になります。
「そうした資料はもらわないので大丈夫!」という鋼の精神をお持ちの方は結構ですが、私のように街頭で配っているティッシュやチラシなどを受け取ってしまう方に関しては、荷物の量には要注意です。
当日の行程確認
事前に準備しておいた訪問ブースリストを再度確認しておきましょう。
あなたの目当てのブースが注目されている場合、残念ながら人が多く、担当者を捕まえるのも一苦労なので、人の数が減ってくる夕方あたりの訪問を検討するのも手です。
会場の回り方
トークセッション等、時間を確認
まずは当日のイベント関係をチェック。
トークセッション等は開催時刻が決められているため、参加したいものがあれば予定をしておいてください。
この部分に関しては前日までに準備してあるのであれば必要ないです。
午前・午後で分ける(日程で分ける)
時間は有限です。ですが時間以上に、あなたのモチベーションも有限です。
モチベーションの維持、もしくは回復のために、ところどころ休憩は挟むようにしてください。
おすすめはランチと15時のおやつですね。大体私は上記の時間を目安に少し休むようにしています。
また展示会は複数日程で開催されることも多いので、余裕があるのであれば日を分けての参加も有効です。
担当者1人当たり10分程度が目安
これは時間設定に結構悩んだんですが、1人の担当者と話す時間はある程度決めておいた方がいいですね。
例えば人気ブースに関しては、担当者と話をするにあたり、もっと時間が欲しいと思う位話すことができないことが多いのですが、あまり人が来ていないブースに関してはその限りではないです。
体験上、そのまま営業の話をされることも多く、その場合貴重な時間を有効に活かすことができなくなる可能性もあります。
そのため1担当者あたり上限10分と決めておき、複数の担当者へ効率よく話していくことが大事です。
(そもそも訪問したい企業数がそれほど多くないのであれば、無理に担当者との会話を短くすることはないですが)
何を聞くのか、何を伝えたいのかを磨いていく
準備段階でどういった話をするのかイメージしてもらっているかと思いますが、残念ながら実際の現場ではイメージ通りにいかないのが常です。
現場で担当者の反応が悪いなど、予想通りにいかないところがあったらその都度質問を変えていくなどして、トークを磨いていきましょう。
ちなみにその時の質問の変え方についてですが、展示会にはテーマがあるので、参加企業にも一定の共通性があります。
そのため、別の企業で課題・困っていることを聞くことができた場合には、他の企業にも同じような問題がないかを質問して確認する、というのが私が良く実行する戦法です。
終わったら
さて、展示会訪問が終わりました。
アプローチを計画していた企業の担当者とは名刺交換ができましたか?良い話ができましたか?
理想はその場で、次回のアポイント取得など、次につながるアプローチができている状態ですが、いきなりその成果は難しいです。
なので次につながるアクションを起こしていきましょう。
御礼メールを送る
展示会帰りで疲れているでしょうが、なるべく当日中に御礼のメールを送りましょう。
もし当日が難しければ、遅くとも翌日中には送っておきましょう。
内容に関しては、担当者と話をしたことについて触れると良いです。
向こうは一日中色んなブース来訪者と話をしているので、少しでも自分の存在を覚えておいてもらえるように意識をして連絡をしましょう。
私はこの御礼メールを送る際に、担当者から聞いた話に対して何かしらの質問を行うようにしています。
例えば展示商品の今後の展開戦略や、どういったターゲットを想定しているのか…など。
または会社紹介の資料を添付するのも良いかもしれません。
質問を入れることで、先方もこちらに興味を持ってくれている場合は何かしらの反応があるかもしれません。(確率的にはまれですが)
もし返信をもらえたのであれば、そのチャンスは逃さないよう、しっかりと対応をしていきましょう。
次の攻め手について検討を行い、顧客化までのPDCAを回していく
ここまで出来たら、一旦展示会を通じて行うアプローチに関しては終了です。
この後はアプローチを行った企業ごとに、それぞれ顧客化をゴールとした計画を練り(Plan)、その計画を元に実際に行動を起こし(Do)、その行動の結果を元に内容を分析(Check)、悪かったところを改善し、良いところを強化する(Action)。
このPDCAサイクルをこなしていくことで、顧客になってくれるかどうか、その際のポテンシャルはどれぐらいになりそうかを整理していきつつ、見込み顧客としての情報をリッチなものにしていきましょう。
法人の新規開拓は一日にしてならず
最後に、法人の新規開拓は一回の面談でできるほど甘くはありません。
個人であれば、ラッキーパンチである日突然、お客様ができることもあります。ですが個人とは違い、取引の意思決定を行うまでに関係者が複数名関わってくるため、時間がかかることが大半です。
そのため、いかにそれぞれの見込み顧客への営業状況を自身が把握し、ポテンシャルのある先に定期的にアプローチを行い続けることができるかどうかが、新規開拓の成否を分けてくると考えております。
展示会以外にも様々な方法を駆使し、アプローチを継続していきましょう。
他の方法についての詳細は、下記の記事にて紹介しています。
なかなか芽が出にくい法人の新規開拓ではありますが、その分取引が成立した時の喜びも大きなものとなりますので、諦めずに頑張っていきましょう!
皆さんの今持っている見込み顧客も、次のアプローチでお客様になってくれるかもしれませんよ?
ではではこのあたりで失礼します。
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